区分: 乙女ゲー+18禁追加ディスク
タイトル: 星の王女〜宇宙意識に目覚めた義経〜
メーカー: 美蕾
発売日/価格: 2007年3月23日/4.800円(18禁追加ディスク2.000円)
ジャンル: 恋愛アドベンチャー
シナリオ:  
原画: 城 たみ
音楽:  
システム: ・メッセージスキップ:有
・自動進行機能:有
・メッセージ読み戻し:有
・セーブ機能有(100個所)
・CG/回想モード:有
・高度なエフェクトON・OFF切り替え可能
・フルボイス
攻略人数/ED数: 9人/35
お薦め度: ★★★
好きキャラ: 佐藤忠信、後白河法皇
好きカプ:  
感想他:

【きっかけ】
最初は店頭で見かけて、サブタイトルに思わず笑いました。どこの電波だ、みたいな感じで。ただネットで見た感じ評判はそこそこよかったのと、その少し後に買った雑誌に体験版がついていて、暇だったのでプレイしてみたら興味をそそられる感じだったので。ショップ通販で買ったのですが、割引が結構大きくて、追加ディスクあわせても5000円ちょっとという低価格だったのも、購入の決め手の一つではあります。

【サウンド】
BGMについてはほとんど記憶に残ってません。と思ったら、BGM消して花帰葬とかのCD聞きながらやっていたことを思い出しました。記憶に残っていなくて当たり前ですね。
声優さん方面では主人公の声が苦手でした。義経モードの時はいいんですが、桜子モードになると高すぎてどうにも違和感が。なので途中から主人公だけ声オフにして攻略してました。あと伊勢の声もあんまり好きじゃなかったです。こういう軽い系のキャラはわりと好きな方なんですが、無理に軽くしゃべってる感じがしました。

【グラフィック】
絵柄自体はまあ好みな方と言えます。ただ立ち絵などの表情の変化が、漫画ちっくで好きにはなれませんでした。漫画というよりむしろギャグマンガって感じで、オーバー過ぎるんですよね。特に喜三太の驚いた顔とか、青ざめた感じの顔とかにどうしても違和感があって、喜三太が一番苦手でした。あとは照れた感じの顔が正直どのキャラも……って感じでした。この辺は好みもあると思うので、全然気にならない人は気にならないんでしょうけどね。

【システム】
既読スキップ、次の選択肢へのジャンプがあり、クイックセーブ&ロードも充実してるので、繰り返しプレイや分岐でセーブしてのシーンの回収などは快適です。ただジャンプしまくったおかげで、どのイベントからつながっていたのかわからなくなったりとかはあります。あ、セーブ&ロードするときに、セーブした場所からの再開ではなく、セーブしたシーンの最初からのロードになるのがちょっと面倒だなとは思いました。読んでいない判定になっているのでスキップできないし、シーンの最後の方でセーブ&ロードしたときは一度読んだものをもう一度読まなくてはいけないので。

【シナリオ】
一度クリアして、ED総数35というボリュームに驚かされました。ただキャラによって1〜7と、ED数の差が大きく、好きなキャラのボリュームが薄いと不満に思うかもしれません。
キャラによってはルート突入の条件がわかりにくく、あるキャラを狙ってそのキャラよりの選択肢を選んでいたつもりが、気づいていたら別のキャラのルートに入っていたりということもありました。自力で2-3週やったあとは、攻略サイトのお世話になりながらだったのですが、サイトを見ながら同じ選択肢を選んでいるはずが、気づいたら違うEDに到達していたり、ってこともありました。あとはフローチャートの管理が甘いのか、見ていないイベントが見たものとして処理されていたり、あるキャラを攻略していると、最後に一緒に逃げるか逃げないかを選べるのですが、そこで逃げない方を選ぶとそれまで影も形もなかったキャラとのEDが待っていたり、ということもありました。最後の選択次第で接点のないキャラとEDを迎えてしまうのではなく、メインでやっていたキャラのルートでEDまで用意して欲しかったと思いました。
エロについて薄いというより短い感じがしました。もうちょっとじっくり読ませて欲しかった気もします。

あと主人公の性格があまり好きになれませんでした。場面場面によってころころ性格変わりすぎです。義経モードでのときと桜子モードではまるで別人。船に乗ってこれから奇襲をかけるというときになって、「女としての幸せを望んでいる」とか言い出して恋人と一緒に逃げ出したり。しかも周りはそれを止めるどころか推奨しちゃってるし。いや、女として云々より、一軍の将としてそれはダメでしょう。自分のありかたに疑問を感じるとか、女としての幸せが、とかいうのが前振りなく突然出てくるために、どうしても唐突に思えてなりませんでした。また恋愛イベントの方も特に頼朝ルートでそれが顕著で、ほとんど会話・接点がなく終盤まで進んでおきながら、「愛してる」とか言われても……。せっかくの攻略ルートなのですから、恋愛の課程をもうちょっと描いて欲しかったです。恋愛課程で思い出しました、主人公義経の妹なので、義経、頼朝とは近親相姦の関係になるわけですが、それに対する悩みとかそういうものが一切ないです。近親ものは好物の一つでありますが、これは背徳感とか禁忌とかそう言うものが会ってのことだと思うので、これはちょっともったいないと思いました。まあ、実際には主人公が捨て子で義経・頼朝とは血のつながりがないということが明らかにされるルートもあります。が、前述の頼朝・義経ルートではそんな話は影も形も出てきません。この辺りもう少し掘り下げて欲しかったなーと思います。
他に気になったことを挙げるとしたら、不思議設定が多すぎること。珠がどうとか、結界がどうとか、笛がいきなりしゃべったりとか。予備知識なしで出てきたそういうものに対しても、登場人物があまり驚いたり気にしたりせずにさらりと流しているので、置いて行かれた感じがしてなりません。個人的には前世の絡みとか、アテルイ、モレがどうとか、珠が〜とかの話はなくてもよかったんじゃないかと思ってます。いろいろ手を広げたあげくに、収拾がついてない感じもします。時代考察については、「これはファンタジーだから細かいところは気にするな」とソフト立ち上げた瞬間に言われる仕様なので、あえて突っ込むのはやめておきます。でも「上意討ち」はないだろうと思いましたが。

あともう一つ気になったことを挙げるとすれば、文章そのものです。こんなことを感じるのは私だけかもしれませんが、すんなり読めないと言うか、突っかかってしまう単語がわりと多様されてました。「家来」という言葉がそれです。「俺を家来にしてくださいよ」とか、「俺は○○の家来だから」とか、言われるたびに気になってなりませんでした。なんか、家来って言われると昭和の時代の小学校低学年の男の子がチャンバラやりながら「お前、俺の家来な」とか言ってる光景が頭に浮かびます。もののたとえですが、なんか言葉から受けるイメージが幼い気がして、好きになれないです。「家臣」とか「部下」とか言ってくれる分には気にならないんですけどね。家臣という言葉を使っている場所もあったので、これはライターによる違い(EDロール見る限り、複数の方で書いているようですし)か、それともわざと使っている所なのか、気になるところでははあります。他には「膣」とか「端正なケツ顎の男」とか。「膣」はエロシーンでよく出てきた気がします。代わりにこれならOKって言葉はちょっと浮かびませんけどね。 「端正なケツ顎の男」はギャグとして書くにはいいと思いますが、シリアスシーンにはそぐわないです。
ちなみに同様に、どうしても気になる言葉に「王様」があります。DQとかやるとよく目にしますけど、大臣が呼びかけるには「王様」ではなく「陛下」だと思うんです……。

シナリオについて他に挙げるとしたら、妖弧も落としたかったなとか、伊勢は「降る雪」が一番好きだったとか、それくらいでしょうか。裏切り者の密偵が主をかばって忠臣として死ぬ。伊勢にとっては本望だったと思いますし、唯一このEDだけは震えがきました。

【雑感】
悪くはないと思います。無印の「星の王女」と比べると、格段にいいですし。価格が低いし、ボリュームもあるしで、楽しめます。ただ私の趣味には合いませんでした。

2007/06/06




モドル