区分: 18禁BLゲー
タイトル: 咎狗の血
メーカー: Nitro+chiral
発売日/価格: 2005年2月25日/ 8,190円
ジャンル: True blood ADV (ボーイズラブゲーム)
シナリオ: 淵井鏑
原画: たたなかな
音楽: ZIZZ ZTUDIO
システム: キャラクターボイス フルボイス
CGモード 有
音楽モード 有
回想モード 有
メッセージスキップ 有
オートモード 有
攻略人数/ED数: 5人/12
お薦め度:
好きキャラ: シキ、アキラ、リン、ケイスケ他。正直言ってほぼ全員
好きカプ: シキ×アキラ、ケイスケ×アキラ、リン×アキラ
感想他:

【きっかけ】
名前は知っていたけど、ずーっと避けていました。猟奇苦手なのと、プレイした友人から聞いた「ほとんど血で滑りがよくなるパターンで」の一言のおかげで、趣向に合わないかなと思っていたのが原因です。あとプレイ前には何となく嘆美っぽいイメージを抱いていました。それをプレイする気になったのは、Lamentoへの萌えのおかげです。一度はまったものについては、関連物全て買い集め、メーカー買い作家買いがデフォなので、Lamentoに激萌えした時点で、咎狗に手を出すのは必然だったように思います(笑)心配していた猟奇はそれほどではなかったし、血で滑りがよくなるエロも、冤罪とかマスカレードに比べると許容範囲内でした。ちゃんと萌えられましたし。

【サウンド】
最初に聞いたとき、何曲かメガテンに似てるなーと思った物がありました。相方嬢の所に原稿の手伝いに行った際、BGMとしてサントラ聞きながらやっていたのですが、相方嬢にも「メガテンの曲っぽいのがあった」と言われたので、きっと気のせいではないはず。ED曲はSTILLよりもカカカカカカカリキュラマシーンがすごい耳に残りました。この曲大好きです。

【グラフィック】
絵柄としてはLamentoよりこっちの方が好みかなーと思います。スチルによって、表情に幅のあるキャラがいたように思いますが、総じて好みです。ただ左右非対称のデザインにしたら、ちゃんとそのまま描いて欲しいと思います。たまにシキの左右が逆になってましたよね……。ケイスケの腸とかも画面に映ったのは一瞬だけでしたし、そこまでリアルに感じなかったので、平気でした。好きなスチルはケイスケとソリドを食べてるのとか、ソファの上でリンに飛びつかれてるのとか、お姫様だっことか。
あとLamentoの時にも思いましたが、背景が美しい! 特に退廃したトシマの背景とかは本当にすばらしい。普段CG閲覧モードに背景とか入っていても、見向きもしないんですが、これだけはじっくりがっつり眺めたい気分になります。

【システム】
バックログがマウスのホイールだけで操作できずにバックログを見たあとはボタンをクリックしなければゲーム画面に戻れないのが少々面倒に感じました。あとは右クリックでメニューが出てくる仕様なのですが、咎狗プレイ中に我が家のマウスが昇天し、右クリックが効かなくなってしまったのが不便でした。次の週には新PCが届く予定になっていたので、そのまま乗り切ってプレイ続行しましたが。Lamentoと同じ短縮キーだったので、セーブロードくらいは短縮キーで何とかなりましたが。

【シナリオ】
シキルート、あのEDはちょっとないんじゃ……って思いました。ED1〜3の順に見たのですが、1の終盤、シキがnを殺したときの「壊れたな」で嫌な予感を覚えました。でもそのあと、下水道の所ではちゃんと元のシキに戻っていた感じがあったので、ああよかったと重いながらもED。天気のいい日には二人で散歩をするとかそんな文章に「あれ、なんかシキっぽくない感じがする」と疑問を感じ、車輪の文字に撃沈しました。そのあとのED二つも自分的にはちょっと……って感じでした。1はシキがシキではないし、2、3はシキもアキラも、ゲームの中での二人ではないので、ゲームの中でのシキとアキラのまま迎えるEDが欲しかったと思います。
あとはせっかくのイグラの設定が導入だけで、物語が進めば進むほど意味がなくなってしまうのも不満といえば不満でした。ノーマルルートみたいな感じで、当初の目的通りタグを集めてイル・レに挑むというのがあってもよかったように思います。あとは強いて上げるとするならば、アキラって人がいいなーと思いました。殺人容疑にしても、エマとグエンに仕組まれものだとはまったく疑ったなかったし。私は最初からそれを疑っていたので、アキラもうちょっと周りを疑えよ!とか思ってました。
最後にエマとグエンが出てきて話の真相をべらべらしゃべってくれるのはちょっと、とか、リンや源泉がアキラが眠るときにはついていてくれるのに、起きたらいないのはちょっとつれないんじゃないかとか思ったのはありますが、非常に些細なことです、こんなものは。

上記のシキルートには不満がありますが、総じてシナリオ面に不満と呼べるような所はなかったです。音楽も、スチル背景含めたグラフィック面もすばらしく、完成度という面ではこれに勝るBLゲームは発売当時も今もそうそうないんじゃないかと思います。
キャラもそれぞれ魅力的ですし、シナリオもキャラごとにボリュームの差があるというわけでもなく(若干シキだけ、ありがたくない方向にボリュームがある気がしますが)、バランスとしてはいい感じだったと思います。ただシナリオの萌え度はLamentoの方が高かったかな。
咎狗のシナリオについては他にもいろいろと語りたいところがあるのですが、基本的に萌え語りになってしまうので、レビューという意図からははずれるかなということで、割愛します。

【雑感】
評判がいいというのは聞いていましたが、たしかにその通りの良作だったと思います。思いこみで忌避していた2年前の自分を殴り倒したくなりました。もっと早くプレイしていればよかったー!と心の底から思います。これは買って損なし。絵も人を選ぶということはないでしょうし、誰にも自信を持って進められるゲームだと思います。

2007/05/11




モドル