【きっかけ】
ずいぶん昔だったと思うけど、まだ製作発表の段階で話を聞いて、結構楽しみにしてました。が、その後進展がなくすっかり忘れてました(笑)最近またBLゲーム方面に興味を持つようになって、鬼畜眼鏡発売日間近というのを聞いて、これは買わねば!と。予約して発売日の家に届いたくせに(それも2本)、入稿するまでの約3週間オブジェと化してました。早くプレイしたかった……!
【サウンド】
今回は夜ではなく昼間プレイだったのと、イヤホンつけるの面倒だったのとで、序盤を除いて音声オールカットで進めてました。BGMは鳴らしてたけど、特にこれといって印象に残るような曲はなかったです。OP曲はわりと好きですが。
【グラフィック】
絵柄自体はわりと好みです。ただ指の書き方でいくつか気になるところがありました。他はHシーンについてですが、地の文で「胸から腹にかけて白く汚した」とか「床に飛び散った」とかある割に、汁差分がないのはどうかと思いました。秋紀とか、太一とか。出したって感じがあんまりしなくて(笑)あと本多×克哉のHシーンにて、M字開脚した克哉の上に本多が覆いかぶさってるシーンがありますが、克哉の股間がのっぺりなのはどうかと思いました。あんまり見えていない部分ではあるけど、それっぽく塗って、モザイク入れておいてくれればいいのにと思いました。
【システム】
それほどストレスがかかるようなシステムではなかったです。ただ眼鏡をかけるのか、かけないのか、完全に選べるのかと思っていましたが、途中で強制的にかけさせられる場面もあるので(逆に強制的に眼鏡が外れる場面も)、完全に選べるってわけではないようです。
【シナリオ】
このライターさんがシナリオ担当したゲーム(魔女の贖罪)過去にやったことあったんですが、正直ゲーム自体がそれほど好みではなかったので、どんなものかなーと不安に思っていた部分もありました。結果としては、よくもなく、悪くもなく、って感じです。
シナリオがらみでよかった点は途中選んだ選択肢によって、その後の会話もちゃんと変わること。やってない行動がしたことにはなってなかったです。正直これはできていて当然だと思うけど、フローチャートの管理が甘いのか、できてないゲームも結構多いと思います。見てないイベントが見たことになってると、萎えるんですよねー。
以下に悪かった点というか、気になった点をつらつらと。いつものごとく、こっちの方が多いです。
EDは31種類と多いものの、似たようなEDが多い印象を受けました。特に鬼畜ルートでの、刺されて死ぬBAD。本多とか、太一とか、変化球もありますが、基本はみんな同じなので、インパクトに欠けます。刺されて死ぬパターンで、一番インパクトがあったのは片桐だと思うので(理由とかも含めて)、鬼畜克哉を刺すパターンは片桐だけにして、他は別パターンにしてくれた方が、片桐が克哉を刺すっていう意外性が生きたと思うので、それは残念だと思います。
内容に関しては、そんなに鬼畜という感じを受けませんでした。鬼畜EDというのがほぼ皆無の状態で、鬼畜ルートに進んでも最後はラブくなるかBADの二択っていうのは、どうかと思いました。後味悪いのは嫌ですが、何も鬼畜ルートでラブラブにしなくても、と思ったのは私だけですか?
ノーマル克哉が複数に輪姦されてるっぽいスチルを雑誌で見かけて、どういう流れであのスチルが使われるのかと楽しみにしていたんですが(複数プレイ好きなので)、Mr.Rの手を取る→途中とばして陵辱シーン、というのはもったいないなーと思いました。咎狗のシキED3、LamentoのラゼルEDでも思いましたが、堕ちたあとではなく、堕ちていく過程を見たかったです。それを書くと長くなってしまうんでしょうけどね。
あとで個別ルート感想にて触れますが、特に鬼畜ルートの場合、克哉の感情の揺れというものがあまり書かれていないので、ラストに向けて急にラブラブになるのが唐突な気がしました。あとこの手のゲームでそれを気にしても仕方ないのかもしれませんが、接待にしてもお仕置きにしても、むかっ腹立った相手への意趣返しにしても、全員相手を掘ることしか選択肢にないのかと思ったのがいくつかありました。なんでいきなり何の疑問も持たずに脱がすんだろう。鬼畜克哉は根っからのホモですか。
他に全体的な面で言うなら……重箱の隅になりますけど、本多ルートで本多の家に遊びに行って、ゴルフに誘われたりしてるけど、ゴルフって基本的に早朝から出かけるものじゃないのか、とか(私はゴルフをやった経験がないので、あくまでもそんなイメージがあるという程度ですが)、会社でとかホテルでとか、着衣のままでいたしてましたけど、後始末はどうやったんだとか、スーツについたら困るだろうとか、いろいろ気になります。あとはEDいくつかちょっと忘れましたが、社長からクビを言い渡されるED、背景は社長室と思われるものなのに、オフィスの中という描写があったり、他にも社員がいるような描写がありました。いくら何でも、他に社員がいる場所でクビを言い渡すことはないんじゃないかと思いました。あとは会社を辞めるのに、ある日突然はないだろうとか。引き継ぎとかあるし、どんなに昼行灯な課長でも、周りの人間がそれに気づかないということはないはずです。あと一週間前にいきなりやめるとか言われても、周りが迷惑なだけだと思いました。リーマンものということで、現実に即してる部分もあるので、この辺はしっかり書いて欲しかったなと思ったり。
それから文章について。誤字脱字や表記揺れが結構あったのと、基本三人称なのに稀に一人称に変わるのが気になりました。
他は個別ルートについて。
◇御堂
最初にクリアしました。非常にいいツンデレでした。最初からエロエロでしたね。ワインバーについていったときに友人達に「もっと派手なのが好み」とか言われていたこと、いきなり体張っての接待を求めることから、ガチホモな人なんだと思います。最初の攻略だったので、新鮮みがあったこともあるんでしょうが、御堂×克哉のシナリオが一番好きです。後半の山場で、窮地を乗り切るのに眼鏡をかけるのかなと思いきや、かけないまま乗り切るのがツボでした。あとは自分に能力がないと卑下する克哉に対して、御堂が「そんなことはないだろう」みたいに冷静に指摘してくれるところとか。告白→EDへの流れは唐突なようにも感じましたが、これはこれでありかな、と。ED時の、「素面では名前も呼べない二人」というのは萌えました。あ、あとBADにつながる流れですが、電話中の克哉にいたずらしてるところに上司に踏み込まれた御堂のうかつさに、思わず大笑いしてしまいました。笑うところですよね、あれ。
鬼畜ルートもエロエロでした。ただ正直いまいちかなーと思ったのが、御堂ルートに限らず、鬼畜克哉が使う「はしたない」という言葉。男が男に向かって言う言葉ではないだろうと。エロいとは思いましたが、萌えはそこまでは感じませんでした。屈するよりは自分を壊す方を選ぶという御堂の誇り高さはいいですね。それからTRUEの最後らへん、克哉が「好きだった」と御堂に告げるあたりの演出はうまいなと思いました。
◇本多
御堂の次に攻略しました。なので、エロエロだった御堂と比べて全然エロがないのが驚きでした。本多×克哉のルートは恋人verよりも親友verの方が好きかなーと思いました。友達以上恋人未満って気がするのと、「甘えた関係になりたくない」って辺りがいいかなと。ただキャラ的に言えば、本多は苦手なタイプのキャラです。
鬼畜ルートの方は強姦されたあとなのに、平然としすぎてるなーと思いました。本多に限らずですけど。克哉×本多ルートのラストは自分的に興冷めでした。最後、空港の見送りの辺りで、克哉が本多を追いかけていったりしたらがっかりだなーと思っていたら、まさにその通りの展開だったので。飛行機の座席に座ってる本多のスチルを見たときに先の展開が読めましたけどねー。
◇片桐
このルートもエロエロ。片桐が想像以上のヘタレでした。オカメインコを逃がすのは終盤かと思いきや、いきなりでちょっとびっくりしました。PCでエラーが出たから、電源ごと落とす43歳って今時いない気がします。他にもこれで課長…?と思える言動がしばしば。片桐の克哉に対する感情の変化が唐突過ぎる感じがしました。同様に克哉→片桐への気持ちの変化も唐突な印象を受けました。というか、克哉が片桐のどこに惹かれたのか、わかりません。
◇秋紀
小悪魔系少年は好きなので、期待してはいたのですが、私の求めていたものとは方向性が違っていたようです。生意気な美少年を調教するのが見たいんじゃないんだー。どっちかって言うと、秋紀に翻弄されるノーマル克哉の方が見たかったです。ところで飼い猫EDも、BESTEDもですが、これって未成年略取にならないのかと心配になりました。どう見ても秋紀は未成年に見えるし、学校にも行っていたらしいのを中退させて監禁ってことになりますよね。それってたぶん立派な誘拐罪。
◇太一
克哉×太一があったのにまず驚きました。あと黒っぽいのが見られたのも嬉しかった。二面性のあるキャラは好きなので。ただ疑問に残ったのが、太一がHPを消す下りです。TRUEにつながる流れでは、それによって家に連れ戻されたりしてるわけですが、そうでない場合にはそれまでと同じように普通に生活してるんですけど、この場合はHP消してもおとがめなしですか?っていうのが気になりました。
他にも何か気になるところがあったんですが、忘れてしまったので、思い出したら書きます。誰のルートだったのかも思い出せません。内容的には覚えてるんですけどね…。
【雑感】
悪くはないと思います。楽しめたし、ゲームとしてもまあまあでしょう。ただ期待ほどではなかったのと、何かが足りない感じはぬぐい去れませんでした。そんなに鬼畜でもなかったですし。そのへんの不満が解消されていれば8点(殿堂入り)つけたと思います。もしくは強烈な萌えがあれば。
各ルートともに意外性に乏しく、これといった見せ場もなかったのが残念。終盤ちょっとだれ気味で、「まだ終わらないのか」とか「またエロか」と思いながらプレイしていたのも事実です。果実イベントもいまいちでした。ぶつ切り状態のエロイベントを持ってくるくらいなら、Mr.Rと少年克哉の話みたいに、本編のその後とかのおまけ的イベントを用意してくれた方が楽しめたんじゃないかと思います。
2007/08/13
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